ソフィーの世界 ‐ 哲学者からの不思議な手紙ヨースタイン ゴルデル(著), 池田 池田 香代子 (翻訳)
発売日 1995/06
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この本が出たのは95年である。95年といえば、忘れもしないあの大震災の年。そして、一連のオウム事件が社会を揺るがし、『風の谷のナウシカ』が完結し(実際には前年末)、Windows95がパソコンを変えたあの年だ。
この激動の年に、僕は受験を控えた高校生であった。理系の受験生は当時社会科は1科目選択で、僕は果てしなくマイナーな「倫理・政治経済」という科目を選択していた。この時倫理を教えていたのは細身で早口の非常勤講師の先生だったが、その後大阪市立大学へと行ってしまわれた程の人だった。その先生が授業でこの本を紹介された。
当時僕は、自分の意思で書籍を買っていいのかどうかが微妙な情勢で、しかもこの本は2500円もするわけで、しかもお金は小遣い制ではなかったので、買おうにも買えなかった。ところが友人にこの本を購入したというものが現れ、次ぜひ貸してくれよと懇願に懇願を重ねた結果、ようやく借りられたのが秋頃だった。
手にしてみると、辞書かコレは!?と思うくらいの分厚い本に、びっしりと9ポくらいの字が並んでいる。受験までほんの少ししかないのに、果たして自分はこんな本を読んでいていいんだろうか。そんな不安が頭をかすめた。
その夜、いつものように暗い勉強部屋で電気スタンドを点けながら、1ページ目を目にした。
ソフィー・アムンセンは学校から帰るところだった。とちゅうまではヨールンと一緒だ。二人は道みちロボットの話をしていた。ヨールンは、人間の脳は複雑なコンピュータみたいなものだ、と言った。ソフィーはよくわからなかった。人間は機械なんかより上なんじゃないかなぁ。
やばい、と思った。やばいやばい。こんなことを考えているヒマがあったら勉強しなくては。しかしどうも、こんな風にして勉強するっていうのは、まるでロボットみたいだ。なんで今自分は必死でロボットになろうとしているのか。──いかん、こんなことを考えているヒマがあったら勉強をせねば。しかしそれはまるでロボットのようだ。そもそもこの本はこんなロボットの話をきっかけにして何を語ろうとしているのか。ああもう。これじゃ勉強なんてできやしない!
観念して僕は続きを読んだ。そこには、僕等くらいの若者が若いゆえに直面してしまういろんな問題について、丁寧に取り上げ、一緒に考えてくれるひとりの哲学者の姿が描かれていた。
簡略に言えば、僕はこの本の虜になっていたのだ。二、三章ぶっ続けで読んでは、いかん勉強せねばと問題集に戻り、しかし問題集を解いては続きが気になって泣く泣く本に戻るという、そんな繰り返しを続けていた。三日経っても四日経っても読み終わらなかった。足下が揺らぐという経験はこれでこの年何度目だったのだろうか。若いなりに貴重な時間であったと思う。
◇ 普及版あり [上巻][下巻]◇ Sotto Voce 〜伝えたい独り言〜
遅くなりましたが、トラックバックありがとうございました!!
また遊びに来たいと思います。
>二、三章ぶっ続けで読んでは
私も読んでいるときはこんな状態でした。
普段考えもしなかった哲学の奥深いことが書かれているのに、
おもしろくて一気に読めてしまいますよね。
買って良かったと思える本の1つです。
返信が遅くなってすみません。
最近また読みたくなって初めの辺をぱらぱらとめくってみたんですけどやはりいい本はいいですネ。この本に出てくる哲学者みたいな姿勢で将来子どもに接していけたらなんて考えます。
また是非遊びにいらして下さい。では!